世界有数の“古楽”王国オランダが誇る最高峰の古楽アンサンブル、「オランダ・バッハ協会管弦楽団」が来日する。“古楽”とは、ヨハン・セバスチャン・バッハ(1685〜1750)らが活躍したバロック期を含む、西洋における「古い音楽」を、とくに作曲家が活躍した当時のオリジナル楽器(ピリオド楽器)を使用して演奏することを指す音楽用語だ。
1921年に創設されたオランダ・バッハ協会管弦楽団は、バッハの音楽をより身近なものとするために、あえて小編成での演奏と研究を続けてきた、“古楽演奏の総本山”的存在。注目すべきは、この名門を率いる第6代音楽監督が、84年生まれの若き日本人バイオリニスト・佐藤俊介であるということだ。
米国のジュリアード音楽院プレカレッジでバイオリンを学んでいた佐藤が古楽に目覚めたきっかけは、父親が愛聴していた古楽のCDだという。「これは何かが違う」「ジュリアードにはないものを知りたい」という好奇心が、彼の目を古楽が盛んなヨーロッパに向けさせた。その結果、ドイツ古楽界の名門であるコンチェルト・ケルンのコンサートマスターを経て、オランダ・バッハ協会管弦楽団の音楽監督にまで上り詰めたのだから、その熱意と実力は半端ではない。今では、米国で学んだモダンな音楽と、ヨーロッパで身に付けた古楽の両方を自在に操る名手として、世界にその名を知られる存在だ。
この記事は会員限定です
残り 476文字
