秋田県のほぼ中央部に位置する仙北市に、角館と呼ばれる街がある。街の西側には院内(いんない)川、東側には玉川が流れ、2つの河川は下流で雄物(おもの)川に合流する。
この街はかつて戸沢氏という氏族が治めていたが、関ケ原の合戦の後、戸沢氏が転封され、佐竹氏が久保田藩領として統治した。その後、佐竹氏19代の義宣(よしのぶ)の実弟である芦名義勝が整備した。
芦名氏が断絶した後は、京都の公家出身だった佐竹氏が京文化をこの地に伝えた。その結果、街は「みちのくの小京都」と呼ばれるまでに独特の風情と文化を備えた。街の北側は「内町」と呼ばれ、武士の居住区となり、商人は南側に店を構え「外町」を形成した。
敵の侵入を防ぐために道路は鋭角に折れ、今も街は見事に地割がされており、下水などの社会インフラもよく整備されている。
とりわけ内町には昔の武家屋敷が多く残存し、1976年に国から「重要伝統的建造物群保存地区」に指定された。秋田藩主の一門、佐竹北家に仕えて財政などを仕切った「石黒家」、3000坪の敷地を誇る「青柳家」、映画『たそがれ清兵衛』の舞台となった「岩橋家」などの武家屋敷を見学できる。
武家屋敷周辺には国の天然記念物に指定されているシダレザクラの巨木が立ち並ぶ。樹齢300年以上になる古木が400本以上あるといわれ、街のシンボルツリーとなっている。また近隣にある桧木内川堤(ひのきないがわつつみ)公園には、上皇陛下のご生誕を祝って植樹されたソメイヨシノの並木が堤上に連なる。これらの桜は春に見事な花を咲かせ、毎年4月20日から5月5日にかけて開かれる「角館の桜まつり」には、大勢の観光客が押し寄せる。
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