有料会員登録 東洋経済オンラインとは
政治・経済・投資 #中国動態

ビッグデータで社会問題解決 ごみの分別でポイント付与

4分で読める 有料会員限定
  • 梶谷 懐 神戸大学大学院教授
南京市のごみ収集システムでは、分別の励行でためたポイントを野菜や食品油などに交換できる(撮影:梶谷 懐)

前回の拙稿(4月27日・5月4日合併号掲載)で、地方政府が民間会社と提携して、市民のさまざまな行動を評価して「スコアづけ」する動きがあることを紹介した。このようなスコアづけでなくても、市民からのデータ収集を通じて公共性を実現しようとする試みは、中国の各地において進んでいる。その1つの例として、ごみの分別収集に関する江蘇省南京市の試みを紹介しよう。

中国でも環境意識の高まりから、2018年に46都市で住宅団地(中国語で「社区」)などを通じたごみの分別収集が始まっている。これはごみを「台所ごみ」「一般ごみ」、金属やプラスチックなど「資源ごみ」、電池など「有害ごみ」の4種類に分別して回収を行うものだ。しかし、市民にはもともと分別収集の意識が低いため、その実施に当たっては大きな混乱が生じているといわれる。違反者には罰金を科すようつねに監視していなければならず、人的コストが大きなものになるほか、係員もごみの種類について十分な知識を持っておらず、分別が徹底されないなどの問題が指摘されている。

民間委託でポイント制

このようなごみ分別に伴うジレンマを、民間会社に委託しポイント制を導入することで解決しようとしているのが、南京市の事例だ。南京市はごみ分別を南京志達環保科技有限公司(志達)という民間企業に委託している。ユニークなのは、マンションの住民にこの企業が発行した登録カードを持たせて、分別ルールを守ればポイントをつけるやり方にしているところだ。市民がまずごみの分別を行い収集所に持ち込むと、ごみの種類によってポイントを受け取ることができる。ポイントがたまれば野菜やコメ、食用油、卵、洗剤などに交換できる。例えば、台所ごみは1回につき1点しかもらえないが、資源ごみは市場価格に応じ高いポイントが付与される。

こちらの記事もおすすめ

あなたにおすすめ

政治・経済・投資

人気記事 HOT

※過去1ヶ月以内に配信した記事の閲覧数