5月24日、中国人民銀行(中央銀行)と中国銀行保険監督管理委員会は共同で、人民銀行による包商銀行の接収を発表した。包商銀行は内モンゴル自治区で第2の経済都市である包頭市を本拠地として、1998年末に設立された中堅地方銀行だ。
人民銀行は包商銀行に「重大な信用リスクがある」として1年を期限に接収し、具体的な作業は中国建設銀行に委託する。国による銀行の接収は、98年の海南発展銀行の倒産以来20年ぶりの重大事件だ。
包商銀行は2007年に株式制度を導入する際、実質的に大手投資グループ「明天系投資グループ」の傘下に入り、その中核金融会社となった。同グループの下で、包商銀行は急速に業容を拡大した。18年末には北京・深圳などに18支店、313営業所を持ち、従業員は8000人を超えた。さらに、資産規模は5559億元(1元は約16円)に達し、全国商業銀行のうち37位にランクされる地方銀行の注目株となった。
ただし、17年1月に創業者の肖建華氏が当局の調査を受けてから、明天系グループは崩壊し始めた。これを受けて包商銀行の経営も混乱に陥り、17年と18年の2年連続で年次報告書さえ提出できなくなった。
同行の問題は、預金でなく市場から調達した高コスト資金に依存する構造にある。18年7~9月期の負債総額5034億元のうち、一般預金は2293億元のみ。一方で、譲渡性預金を含む金融市場調達額は2211億元に及び負債総額の40%超。これは当局が規定した3分の1を大幅に超えている。
同じ時期の資産を見るとハイリスク・ハイリターンを狙った債券投資の比重が高い。高いコストの資金を調達し、ハイリスク運用に回す悪循環に陥っていたもようだ。
「劇薬」が選ばれた理由
とはいえ、包商銀行の処理にさして緊急性はなかった。実際、同行はいくつかの投資ファンドと交渉し、戦略投資者の導入を検討していたとみられる。にもかかわらず、金融当局があえて接収という劇薬を選んだのは、一地方銀行の信用リスクの対応より、預金保険制度の確立への布石と思われる。
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