中国の対米外交が“北朝鮮化”している。米国を挑発的に批判する姿勢をどんどんエスカレートさせているのだ。
きっかけは、11回目の米中経済貿易ハイレベル協議を控えた5月初旬に米トランプ政権による対中追加関税が発表されて協議が決裂したことと、続いてファーウェイが米商務省による輸入制限の対象に加えられたことだ。以後、ファーウェイ潰しの動きが連日のように伝えられている。
これらを受けて、中国の対米外交は正面衝突に向けて走っている。6月4日には、ポンペオ米国務長官による中国の人権状況への批判を中国外務省報道官が一蹴した。「正気とは思えないたわ言や無意味なおしゃべり」という露骨な発言が報じられている。従来ならば、「中国は人権に配慮している」と中国なりの数字を用意して弁明するか、質問をはぐらかして正面から答えないかのいずれかであった。
本音を言えば中国はいち早く米中貿易問題を落ち着かせ、建国70周年のイベントに向けて邁進したいところだった。こうしたイベントの常として今回も天安門広場のレプリカが北京郊外に造られ、閲兵式の練習が行われている。イベント成功のためには今年が国交正常化40周年となる米国からの祝福も必要だと考えられていた。
それが、「もういいや」となってしまったのだ。
だが、本気でトップギアを入れたのかといえば、現状ではまだその手前でとどまっている。戦術として中国は、「米国の一部の政治家」に批判のターゲットを絞っているからだ。
その対象がポンペオ長官、ボルトン大統領補佐官(国家安全保障担当)、ライトハイザー米通商代表部(USTR)代表であり、バノン前大統領首席戦略官である。
5月16日、中国国営中央テレビ(CCTV)は、バノン氏を「ロジックが混乱していて説得力がなく(中略)笑いものになっている」とか「戦争をあおることで私欲や野心を満足させようとしている」、「ゼロサムゲーム的な古い考え方を捨てられない右翼勢力こそ米国の真の敵」と攻撃した。
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