中国の公共交通機関でサービスの高級化が進んでいる。利用者の比率は低いとはいえ、全体の所得水準が上がり、富裕層の絶対的な数自体は拡大しているためだ。「快適な移動」に割り増しのお金を払う層は着実に育っている。
先頃、中国国際航空の国内線に豪華仕様の送迎バスが登場した。航空機が搭乗ブリッジの前ではなく、離れた駐機場に停止した場合に乗客を送迎するバスだ。ファーストクラスもしくはマイレージプログラムの上級会員向けサービスだが、車内にはゆったりしたソファを備え、すし詰めの大型バスに乗り込む一般客を横目に、ちょっとしたVIP気分が味わえる。中国の国内線ファーストクラスは路線や使用機材にもよるが、国際線並みのほぼ完全に横になれるフルフラットシートを備えた機材も多く、正規の割引運賃もあってビジネスパーソンに人気がある。
ハイヤー、リムジンサービスの領域では、先般日本にも進出した配車サービス最大手「DiDi」(滴滴出行(ディディチューシン))が中国の主要都市で展開している「DiDi豪華車」のサービスが好評だ。使用車両はメルセデス・ベンツEクラス、BMW5シリーズ、アウディA6クラス以上の高級車で、車内には無料Wi-Fi、空気清浄機などを標準装備し、後部座席に置かれたミネラルウォーターは炭酸入り、なしの2種類を用意。クッキーなども並べられている。ドライバーの審査基準は厳格で、採用率は1000人中3人。さらに合格後に半年間の研修を受けた後、やっと乗務が許されるという。限られた優良運転者だけが従事できる職種だ。
スマホアプリで簡単に呼べるうえ、運転は極めて丁寧かつ快適。料金は一般のセダンを利用した配車サービスの3倍前後、普通のタクシーの5倍程度になる。それでも通常の道路状況であれば7~8キロメートル(東京なら銀座ー新宿程度)の距離を乗っても日本円で2000円程度で、エグゼクティブ層なら個人でも利用できる価格といえる。
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