5月10日および11日、上海において北極圏中国フォーラムが開催された。フォーラムのテーマは、「中国と北極」だ。
中国は北極圏に関する事象に積極的に関与しようとしている。中国は、自らを北極関連事象の重要な利害関係者であると主張する。そして、国際条約および一般国際法を順守し、「尊重、協力、ウィンウィン、持続可能」という基本原則を尊重しつつ、北極の持続可能な発展のために積極的に貢献してきた、というのだ。
しかし、中国は北極海に面しているわけではない。北極圏に関する事象を扱う枠組みとして北極評議会が挙げられるが、中国はそのメンバー国ではないのだ。
北極評議会は、1996年9月、北極評議会の設立に関する宣言(オタワ宣言)に基づき、8カ国によって設置された。メンバー国は、アイスランド(現議長国)、フィンランド、ロシア、ノルウェー、デンマーク、スウェーデン、カナダ、米国である。
北極評議会は、北極における持続可能な開発、環境保護といった共通の課題について協力を促進することなどを目的としているが、その背景には、北極海に埋蔵される資源をめぐる北極圏国同士の争いがあった。
オタワ宣言では軍事・安全保障に関連する事項は扱わないこととされているが、資源などをめぐって北極圏国間の軍事的緊張も高まっている。例えばロシアは、2014年12月に北極統合戦略司令部の運用を開始し、北極海沿岸部に展開する部隊も増強した。
一方で、北極に関する国際的な意思決定やルール策定に関与する国が増加し、現在では、非北極圏国13カ国が北極評議会のオブザーバーとなっている。日本や中国は、13年にオブザーバーとして承認された。北極圏の氷が縮小するにつれ、日本でも北極海航路に対する関心が高まっている。
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