4月9日に発表された国有の家電大手メーカー・格力電器(本社・広東省珠海市)のリリースに注目が集まった。同社の大株主である格力集団は保有している18%強の同社株式のうち15%を売却する意向で、買い手を市場から公募する。譲渡価格は400億元超(1元は約16.7円)となる見通しだ。
その背景には、中央政府による「国有企業混合所有制改革(混改)」政策の推進がある。混改とは、国有企業に民間資本を導入することだ。4月16日に開かれた国有資産監督管理委員会の定例記者会見で、同委員会スポークスマンは、格力電器の混改について「権限は地方政府にあり、企業発展および地方経済の発展に有利であれば、われわれは支持する」と前向きな姿勢を表明した。
もっとも、そうした改革の理念より格力電器にとって切実なのは、今年8月に65歳になるカリスマ経営者・董明珠氏の定年問題である。国有企業トップの定年である60歳を超え、さらに特例上限の65歳も目前に迫ってきている。
董氏は今年1月に開かれた7カ月遅れの臨時株主総会で、満場一致で董事長に再任された。引退の予定を聞かれると「今すぐにでもしたいけど」と、お茶を濁したが、おそらく混改で定年問題を回避できる算段がすでにあったのだろう。
株式の譲渡先としては電子商取引大手のアリババや蘇寧電器、さらに台湾系の鴻海(ホンハイ)精密工業まで取り沙汰されたが、いずれも否定している。MBO(経営陣による買収)も噂されているが、400億元を超える所要資金の調達がネックとなっている。
PEファンドが急浮上
そこで急に浮上してきたのはプライベート・エクイティ(PE)ファンドの厚朴基金だ。
厚朴基金関係者はいち早く格力電器の株式譲渡に興味を示しており、現段階では、市場関係者の間では最も可能性の高い譲受先とみられている。
この記事は有料会員限定です
残り 723文字
