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各地に濫造される「旧市街」テーマパーク化する街並み 歴史的にありえない意匠も

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古建築と新築の区別があいまいに。写真は「陶磁器の都」として著名な景徳鎮の繁華街「前街」(撮影:田中信彦)

所得水準の上昇で観光ブームに沸く中国で、歴史的建造物の保存と修復・復元をいかにすべきかが論議を呼んでいる。ここで修復というのは破損、老朽化したものを修理すること、復元とは失われたものを再現することだ。中にはゼロから復元した家並みを歴史的な建築物と誤認させかねない例もあり、商業主義の行き過ぎに異論を唱える声も出ている。

「陶磁器の都」として世界的に名高い江西省・景徳鎮には、明~清の時代の古い建築物が数多く残る。中でも市中心部の繁華街「前街」一帯は今もにぎやかな商店街で、大勢の観光客が訪れる。一見、古色豊かな趣のある街路だが、実は建築物の大半は、過去10年ぐらいの間に大規模に修復・復元されたもので、古建築が往時のまま残っている例は少ない。

街路の修復や復元に際して同市政府は学術的な調査を行い、多額の費用をかけて取り組んだ。その結果、軒先に防火用の「うだつ」を配し、黒瓦にレンガ造り、窓や扉には繊細な木彫を施した立派な商店街がよみがえった。

修復・復元技術の向上も目覚ましい。新たに手を入れた部分と古くから残る部分のギャップをなくすため、新たな部分には「古色付け」と呼ばれる、わざと古びた感触を出す加工を行う。その技術が近年、急速にレベルアップし、完成後は本当の古い建築なのか、新たに造られたものなのか、素人にはほとんど区別がつかない。

江蘇省・無錫の京杭大運河沿いに「南長街」と呼ばれる古い通りがある。1キロメートル近くにわたって江南特有の白壁の民家が並び、カフェやブティックが点在する人気のスポットだ。しかし実はこの家並みも、ごく一部を除いて、2000年代以降に大修復されたか、新たに建てられたものだ。筆者は1990年代半ばからこの地を訪れているが、本来の古民家は当時すでに数えるほどで、そのほかは庶民が暮らす普通の街路だった。

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