中国の株式市場がにわかに活況を呈している。3月7日には上海と深圳の証券取引所に上場する株式のうち220銘柄がストップ高となった。上海総合指数は今年年初から28%も急騰し3106ポイントをつけて、中国株式市場はミニバブルで大いににぎわった。
例えば、上海市場に上場する東方通信は昨年10月から100営業日足らずで株価が11倍近くに急騰し、一躍有名になった。同社は銀行ATM(現金自動出入機)などを製造・販売する地味な企業だ。ところがなぜか「5G関連銘柄」とハヤされたため、昨年10月19日に3.7元まで下がっていた同社株は、3月7日には終値で40.49元にまで急上昇した。その間、東方通信は5G通信業務との関連を否定する声明文を十数回にわたり発表したが、株価の勢いは止まらなかった。
売り推奨で相場が急落
この熱狂ぶりに歯止めをかけたのは、3月7日の大引け後に発表された「売り推奨リポート」だ。証券最大手の中信証券は中国で最大の保険会社である中国人民保険集団について、現時点の株価は高すぎ、1年以内に54%以上の下落が予想されると指摘した。
市場が「買い」一色の中、大手証券会社による異例の売り推奨リポートは株価に大きなインパクトを与えた。翌8日の上海総合指数は急落し、心理的な抵抗ラインとされる3000ポイントを割り込んだ。
今回の株価急上昇の原因についての見方は錯綜している。2018年には主要各国の株価が大きく上昇している中で、年初に3369ポイントだった上海総合指数が年末には2493ポイントまで急落。下落幅は26%に及んだ。今年に入ってからの上昇で、ちょうど昨年の穴埋めをした格好だ。
年明けからの上昇はファンダメンタルズ要因では説明しにくい。
中国では預金準備率が18年以降に計3.5%ポイント引き下げられたが、通貨供給量(M2)増加率は8%台で歴史的に低い水準にとどまった。一方で上場会社数が3600社超と15年より3割弱も増加しているため、金融緩和の影響力は限定的とみられる。
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