日本銀行の金融政策が行き詰まっているように見える。「イールドカーブ・コントロール」政策を導入した2016年9月以来、大幅な政策変更をしないまま3年近くの月日が経過している。
この間、「生鮮食品を除く消費者物価指数(コアCPI)」の前年比はプラス1.0%程度まで上がってきたが、一度もプラス1.0%を上回っていない。一向に目標の2%には届く気配がない。
しかし、過去6年半に及ぶアベノミクスの「3本の矢」の中で、市場に最も強力な影響を与えたのは、第1の矢である「大胆な金融緩和政策」であったことも事実だろう。日銀は13年1月にインフレ目標を掲げて以降、イールドカーブ・コントロール政策の開始までは、矢継ぎ早に新しい政策を導入してきた。
この間、日経平均株価は約3倍の水準まで上昇した。ドル円相場は実質的には大幅な円安で推移し続け、国際情勢の混乱などで株価が大きく下落しても、さほど大きく円高に振れなくなっている。
一方で、大胆な金融緩和政策は徐々に副作用が目立つようになっている。イールドカーブがフラットになったままの状態が長期間続き、年金基金、生命保険会社、銀行などの機関投資家は国内投資から運用益を稼げない状態が続いている。
19年度中、日銀以外が保有する国債の償還額は約44兆円になると見込まれるが、プラスの金利がついている期間10年以上物の市中へのネット新規供給額は8兆円にとどまると予想されている。今や国内機関投資家は、円相場に対する見通しいかんにかかわらず、ある程度為替リスクを取って外債に投資せざるをえない。しかし、地域金融機関などは当局からの指摘をおそれて、外債への投資も増やせず、身動きが取れずにいる。
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