日本の連休中の5月1日、米国ではFOMC(米連邦公開市場委員会)の会合が開かれ、その後にパウエルFRB(米連邦準備制度理事会)議長の記者会見が行われた。市場の利下げ期待を若干後退させる内容ではあったものの、市場に与えるインパクトは前回3月のFOMCに比べてかなり限定的なものとなった。
1〜3月にFRBのハト派への傾斜が鮮明になったわけだが、何といっても3月のFOMCで示されたドットチャート(メンバーの政策金利予測をプロットした図)が「年内利上げなし」を示唆したことは、大きなサプライズとなった。これを受けて、3月末の時点で市場は年内の1回以上の利下げを織り込んでいた。今回の会見では、市場の期待をやや引き戻すような意図を持ってコミュニケーションが行われたようにも見えたが、市場の利下げ期待は大きく剥落するまでには至っていない。
市場が中央銀行のメッセージをどう受け取るのかは、その時点での景気や物価の状況、政治などさまざまな材料次第でもある。
今回のFRBのケースでいえば、昨年末ごろから「世界経済に対する懸念」が浮上したため、まず利上げ期待が後退した。そして、3月のFOMC前にはトランプ政権によるFRB理事指名をめぐってさまざまな報道が出ており、「政治圧力」が市場でも材料視されつつあった。「景気」と「政治」という2つの環境面での材料がある中で、FRBが3月のFOMCで市場も驚くほどの明確なハト派傾斜のメッセージを出してきたために、市場はその理由の特定はできないまま、FRBのスタンスを取りあえず受け入れたのである。
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