ワシントン政治は2年のサイクルで動く。それは選挙が2年ごとに実施されるからである。昨年は中間選挙があり、今年初めにスタートした第116議会で民主党が下院を奪還した。来年秋の大統領選と議会選を経て新大統領が決まり新議会も招集される2021年初まで、ねじれ議会が続く。
ただし今の議会は発足して3カ月しか経っておらず、まだまだ先は長いと高をくくると、はしごを外される。
今の政府と議会がまともに機能するのは実質的には今夏までと思ったほうがいい。7月末に議会は夏季休暇に入り9月まで法案審議はストップする。また10月からは新会計年度が始まることから、9月には債務上限問題など緊急の審議が優先する。加えて夏前には来年の大統領選に向けてワシントンは一斉に選挙モードに入る。つまり、今マーケットを揺るがしている未決案件は、実質的に7月末までに決着させないと次の選挙後まで棚上げされる可能性が高い。
当地では米国の最大の貿易相手であるカナダとメキシコとの新たな貿易協定(USMCA)の議会承認に注目が集まる。昨年末に政府間の合意はできたものの、上下両院の承認なしに批准はできない。来年の大統領選をにらみ、下院民主党はトランプ大統領の手柄になることには協力したくない。メキシコの労働法の改定や環境問題を理由に審議を遅らせる戦略に出ており、夏を過ぎると次期政権まで先延ばしとなる可能性が高まる。
次に控えるのが米国と中国との貿易協定だが、目下、USTR(米通商代表部)が全力を傾注している。4月には中国の劉鶴副首相がワシントンでライトハイザー通商代表と協議し、トランプ大統領とも会談した。だが対中強硬派は決着まで1カ月は要するとしており、慎重な姿勢を崩していない。
この記事は有料会員限定です
残り 692文字
