4月第1週に筆者は香港、シンガポールに出張し、現地の機関投資家たちと面談した。そこで最も印象的だったのは、米中通商交渉の行方や中国経済に対して楽観的な見方が広がっていたことだ。
ある中国人エコノミストは、「以前は北京から離れれば離れるほど中国経済に弱気な人が多かった。しかし、昨年末から本年初にかけては北京に近づけば近づくほど中国経済に弱気な人が多くなっていた。もっとも、このところは北京周辺の人たちが楽観的になり始めた」と話した。北京周辺の人々が楽観的になっている理由は、習近平国家主席が経済政策や対米政策で現実的な政策を採っていることに対する安心感もあるようだ。
中国の3月PMI(購買担当者景気指数)が市場予想を上回ったことも、こうした楽観的な見方に影響したのかもしれない。JPモルガンのエコノミストも、今年1〜3月期の中国の実質GDP(国内総生産)成長率を前期比年率6.1%から同6.4%まで引き上げた。1月末時点の予想は同5.9%であったため、すでに0.5ポイントも上方修正されたことになる。
米中通商摩擦に関する香港、シンガポールの投資家の注目点は、2000億ドルの中国からの輸入に対して現在課されている10%の追加関税を米国が廃止するか否かであり、廃止が実現したらポジティブサプライズになるだろうとの声が多かった。
米中貿易摩擦が解決の方向に向かい、中国経済の見通しが改善することは、日本経済にかなりポジティブな影響を与えるのではないか。日本にとって中国は輸出・輸入のいずれも相手国として最大で20%以上のシェアを占める。日本の輸出先として米国は2番目に大きく、中国と米国で日本の輸出の4割を占める。一方、EU(除く英国)や米国にとって、輸出先の中での中国のシェアは10%にも届かない。中国経済の動向は米国やEUよりも日本にとって、より重要だと考えられる。
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