昨年、本欄で筆者は年央と年末に原油相場を取り上げた。年央には想定外の急騰、年末には想定外の急落について、その背景と先行きに関し私見を述べた。今回も原油相場の大局的な見方をワシントンの専門家の視点も交えてお話ししたい。
油価を決める要因は需給・地政学・金融の3つに大別できる。
需要増加分の3分の2を占めるのはアジア地域である。中でもとくに中国の割合が大きく、その景気悪化が需要面の最大のリスクである。すでに軟調な経済が、対米貿易交渉次第ではさらに悪化する懸念がある。また米国や日欧などの先進国についても金融政策と財政政策の両面で、景気が下振れした場合に打つ手が限られるという問題を抱える。需要面ではその2つがリスクである。
供給面には地政学が絡むが、当地の専門家がワイルドカードと呼ぶのがベネズエラとイランである。
ベネズエラは世界最大の埋蔵量を有し平時には日量230万バレルを生産する大産油国だが、政情不安から昨年の第3四半期には75万バレルまで産油量が激減した。年初からの米国による制裁強化によってさらなる落ち込みが懸念される。
イランは制裁ですでにピークから150万バレル程度輸出量が減少している。米国はイランから原油を輸入する8カ国に、対イラン制裁措置を免除しているが、5月にはその期限が到来する。米政府の出方次第では、イラン産原油の供給はさらに減るリスクがある。
この2国のほかに供給面で重要なカギを握るのがサウジアラビア、ロシアなど産油国による協調減産である。年初から120万バレルの減産を実施している。先導するサウジは年明けを待たずに積極的に減産に動いた。何としても油価を引き上げたい同国の強い意向が読み取れる。年後半も協調減産を継続するかが注目点である。
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