日本のパソコンを1990年代に大きく変えたのが、日本IBMが開発したOS(基本ソフト)「DOS/V」搭載のマシンだ。DOS/Vを、多くの国産メーカーが採用した。ただしNECを除いて。
NECは80年代に通称「98」シリーズで日本の市場を独占していた。彼らは平成に入っても98で行けると思っていた。東京・三田にある巨大な本社ビルは、98で建ったといっても過言ではない。若い人たちも当時は98の上で動くアプリケーションに執着していた。だが「ウィンドウズ」の時代になって98の独占は崩れた。98が負けた理由は2つ。1つは「モンキートラップ」、つまり成功体験にしがみついて、そのままダメになるということ。もう1つは、「インベンテッド・ヒア・シンドローム」。自社で開発したものが、社外で開発されたものよりも優れているという思い込みである。
米マイクロソフトはますます力をつけていった。特に日本では企業向けが強かった。「とりあえずマイクロソフト製品を買っていれば、ミスにはならない」というイメージが定着していた。もちろん彼らがいい仕事をしていたのは確かだ。
モバイルの時代になると、前提が変わった。米グーグルが開発したスマートフォンOS「アンドロイド」は現代のDOS/Vだといえる。立ち位置としてはiPhoneが98に近い。
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