ポスト平成の国内食品市場は人口減少や少子高齢化で縮小が顕著になると予想される。食品企業はどう生き残りを図るのか。ネスレ日本社長、高岡浩三氏に聞いた。
──平成を振り返って、食品業界はどう変化してきましたか?
平成は、インターネットの広がりによる第3次産業革命でスタートした。食品や飲料はITやインターネットとは縁遠いように感じがちだが、EC(ネット通販)を意識せざるをえなくなった。商品のイノベーションはほとんど起きなかったが、ITを使ったビジネスモデルの変革が相次いだ。
──消費者の生活環境もこの30年間で大きく変わりました。
平成に入り、単身世帯が増え、家庭内での消費が激減した。個食化が進み、家族での大量消費を前提にした食品業界のビジネスへのインパクトは大きかった。しょうゆの売れ筋が大容量のPETボトルから小容量品にシフトしているように、新しい現実に対応した製品は支持されるようになっている。こうした流れは次の時代でも加速していく。
レギュラーコーヒーを飲む際にも、単身世帯でいちいち少しのお湯を沸かすのは面倒だ。個食化を受けて「ネスカフェ」ブランドで投入した1杯抽出型のカプセルは、縮小市場の中でも売上高が伸び続けている。
──今後業界が対応すべき課題は何でしょうか?
市場調査型のマーケティングはすでに時代遅れだ。顧客の潜在ニーズに応えることに加え、20世紀や平成の時代に顧客があきらめていた課題の解決策を提示することが必要だ。食品企業もITを活用できれば提案の幅は無限に広がる。
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