大手食品メーカーによる設備投資の動きが活発だ。これまで年間1兆円前後で推移していた業界全体の設備投資額が、2017年に2.4兆円を突破(財務省「法人企業景気予測調査」、土地を含みソフトウエアは含まず)。19年以降に新工場や新製造ラインの稼働が相次ぐ。国内食品市場は少子高齢化・人口減少の影響で先細りになる中、なぜこのタイミングで設備投資が盛り上がるのか。

日清食品は、18年8月から滋賀県栗東市の即席麺新工場で一部ラインの稼働を始めた。19年12月までには全面稼働する予定だ。同社にとって、即席麺の新工場稼働は1996年に竣工した静岡工場(同県焼津市)以来、22年ぶりのこと。新工場への総投資額は655億円に上る。
同工場の目玉は、徹底した省人化や生産合理化だ。資材工場が併設され、資材の検品や搬入も自動化された。同規模の工場に比べ、要員はおよそ半分で済むという。
合理化投資は日清食品だけにとどまらない。調味料最大手の味の素やマヨネーズ・ドレッシング最大手のキユーピー、製パン最大手の山崎製パンなど食品メーカーの多くが、数百億円規模を投じて新工場を建設、生産合理化に注力している。
生産の合理化に加えて増産投資も積極化
「多くの食品メーカーは平成に入ってから、設備投資を絞ることで利益を捻出してきた」(野村証券の藤原悟史アナリスト)。日清食品の工場に代表されるように、既存工場は建設から時間が経ち老朽化が進んでいるうえ、人手も多く要する。また需要地に対して工場の配置が最適でない、製品や中間品の工場間移動が必要になるといった場合も多く、物流費がかさみがちだ。そこに人件費などの高騰が追い打ちをかけ、合理化投資に踏み切ったケースが多い。
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