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宗教信仰と近代 広岡浅子とヒュームで見る

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  • 岡本 隆司 早稲田大学教育・総合科学学術院教授

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「あさが来た」はNHK連続テレビ小説(朝ドラ)2015年度下半期放映の名作である。テレビドラマなどに何の関心もない無粋な筆者も、歴史に関わっている題材だったこともあり、家内と一緒にみていた。全編見とおしたのもめずらしい。いうまでもなく、明治の女性実業家・広岡浅子の生涯を描く物語であった。

突然この朝ドラに思い至ったのは、明治維新百五十周年の関連で、その殖産興業について考える必要があったからである。広岡浅子の手がけた事業は、当時の東アジア経済にも影響を及ぼしており、講演でそんなエピソードにふれることもあった。

女優の波瑠さんが扮した「あさが来た」のヒロインは、もちろん潤色である。フィクションだからかまわないものの、青春・壮年の時代が中心だったこともあってか、とにかくかわいすぎた。

薄田泣菫(すすきだきゅうきん)の広岡像

実際は、と調べていて行き当たった文献の一つが、薄田泣菫の新聞コラム「茶話」である。その「亡広岡浅子夫人」が描く晩年の彼女は、「年中洋服を着て、古くから日本にあるものは、凡(すべ)てやくざ物だとばかり思ひ込んでゐた面白い婆さん」だった。ずっしりとリアリティがある。

もっともそのコラムは、タイトルに掲げた広岡浅子の行状より、いいたいことが別にあったらしい。その逝去にことよせて語っているのは、信仰・哲学のありようといった、なかなか重厚なテーマである。

広岡浅子は明治の末年、キリスト教に入信し、布教にも尽力した。YWCA(キリスト教女子青年会)の委員をつとめたり、女子高等教育を提唱したり、とにかく精力的な活動は、世に隠れもない。

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