3月2日に総務省が発表した1月の完全失業率の数値は驚くべきものだった。季節調整値で2.4%という数字は、1993年4月以来の低水準。2017年12月の2.7%から0.3%ポイントの大幅ダウンである。本当に雇用環境が急激に改善し、失業者が減ったのだろうか。
まず、就業者数と失業者数はどう変化したのか。完全失業率は、両者の合計(労働力)に占める失業者数の割合だから、たとえ失業者数が減らなくても、就業者数が増えれば低下する。調べてみると、就業者数の伸び率は非常に小さかったが、失業者数は1割強の減少であった。つまり、この間の完全失業率の低下のほとんどは、失業者数の大幅な減少によって説明される。
失業者は、就職先を見つけて失業状態から脱する人だけでなく、職探しをあきらめて非労働力人口になる人が増えても減少する。したがって、前月失業していた人のうちで今月就職した人の数や非労働力人口になった人の数などを把握して検討する必要がある。
17年12月と18年1月を比べると、失業者から就業者になった割合は増えていない。よって、雇用環境がよくなって失業者が減ったというストーリーではなさそうだ。一方、失業者であった人が職探しをやめて非労働力化した割合は、17年12月に比べて顕著に上昇していた。特徴的なのは、特に55歳以上で職探しを停止した人が増えたことだ。つまり、完全失業率が1月に大きく低下したのは、何らかの要因によって多くの高齢失業者が職探しを停止したからであった。この0.3%ポイントの下落に限れば、雇用環境の好転はあまり関係なかったといえる。
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