米国のグーグルがアルファベットに改組して2年半ほど経過した。なのに日本に追随者が現れる兆しはいまだない。むしろ逆行する動きばかり目立つが、大丈夫なのであろうか。
アルファベットの意図は不確実性への対処にある。今や世界は人工知能と遺伝子編集によって一新されようとしている。そして、いつまでに何がどれだけ変わるか誰にもわからない。新たな可能性が開ける一方で、不確実性がとみに高まっているのである。
不確実性は多様性で吸収する。これが経営の常道である。不確実性が低い経営環境では、組織を集権的に統制して効率を追求すればよい。しかしながら、不確実性が高い経営環境では、組織を分権的に運営して相互に独立した実験を奨励しなければならない。本社が間違えたら一巻の終わり、ではあまりに危ないからである。
アルファベットは小型事業を多数格納する器のようなもので、集権的な統制は利かせない。本社は各事業を任せる人物を指名したうえで、コミュニケーションを保ちつつ、予算を配分する。その心はアルファなベット、すなわち「優れた賭け」という社名選択から読み取ることができる。異なる前提に立つ事業群のポートフォリオを組めば全滅のリスクは抑制できる、と言いたいのではなかろうか。
それに対して日本企業は効率重視のままで、賭けを本当の意味で分散化できていない。問題の核心は本社による一元管理、すなわち計画策定と予算統制という古いマネジメント手法にある。計画で掲げた数値目標の死守を大義とし、逃げ場を持たない社員を追い込んでいくだけでは、現場が創造性を発揮するどころか、品質不正に走るのが関の山であろう。
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