日本の景気は長期拡大を続けている。拡大期はすでに戦後2番目の長さであり(最長は2002年2月から08年2月までの73カ月)、19年1月まで拡大が続けば戦後最長となる。
しかし、この現在進行中の景気拡大に関しては「景気回復の実感がない」という指摘がしばしば出る。なぜなのか。これには二つの答え方がある。
一つは、実感がないことを認めたうえで、その理由を探ることだ。たとえば、福田慎一氏は近著『21世紀の長期停滞論』で、サマーズ元米財務長官の言う長期停滞が日本でも起きているからだとしている。米国経済はリーマンショックによって大きく落ち込み、その後再び2%台前半の成長軌道に戻った。成長率を見るかぎりは経済も回復したということになるのだが、それでも経済のレベルは、リーマンショック前の成長トレンドが続いたとした場合の成長経路に比べて低いままである。
これがサマーズ氏の診断なのだが、福田氏は同じことが日本でも成立するとし、「日本経済の真の実力はもっと高いはずなのにそれが一向に回復できていない」と多くの人が感じていることが、実感がないという現象を生んでいると説明している。
私自身も説明を試みたことがある(日本経済新聞経済教室、17年9月19日)。このときの私の説明は、今回の景気拡大期には途中で14年4月以降の約2年にもわたる準景気後退期があったので、期間が長い割に経済のレベルが高まっていないというものだ。このほかにも名目値が伸びていないからだとか、企業収益に比べて賃金の伸びが低いからだという説明もありえる。
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