今年のドル円相場は年初1月8日に1ドル=113円台のピークをつけた後、円高ドル安基調が続いている。筆者は2018年のドル円相場は108〜115円のレンジ内で変動すると予想していたが、あっさり予想の下限を下回り、2月16日には105円台半ばまで下落してしまった。
この間の動きを大ざっぱに言えば、1月のドル円相場の下落は「ドル安」主導だった。ドルは主要通貨の中で圧倒的に最弱の通貨となり、円も下から4番目くらいに弱かった。一方、2月前半のドル円相場の下落は「円高」主導だ。円は主要通貨で独歩高となり、ドルは上から4番目くらいに強くなっている。興味深いことに、こうしたパターンは1年前とほぼ同じだ。
筆者は今回の円高も17年と同様、長期的なトレンドとはならず、いずれ円安方向に戻る可能性が高いと見ている。それはなぜか。
長めに取れば5年前、厳密に言えば3年前から、日本からの対外投資フローが過去に経験のないほど激増しているからだ。つまり、アベノミクス前とアベノミクス後では、円相場を予想する際の前提がやや異なるのだ。
まず、激増しているのは対外直接投資だ。17年のネット対外直接投資は16.4兆円と過去最高を記録。アベノミクス開始後の5年間、毎年12兆円以上のネット対外直接投資が行われており、5年間の年間平均投資額は14.7兆円だ。
ちなみにその前の5年間(08~12年)の最大投資額は9.4兆円、年間平均投資額は7.9兆円なので、平均額は倍増に迫る勢いだ。
対外直接投資はどの程度円売りを伴っているのかがわからないが、半分程度でないかと、筆者は推計している。それが正しければ、昨年は直接投資に絡む円売りが8兆円程度出たことになる。過去5年間では37兆円程度の円売りだ。
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