米国でトランプ政権が誕生した。歴代最低ともいわれる支持率、過激なツイート攻撃、さらにはロシアとの関係など、今後も何かと世界をかき乱しそうだ。
米国の著名な国際政治学者イアン・ブレマー氏が社長を務めるユーラシア・グループが、年初に発表した今年の10大リスクでも、「わが道を行くアメリカ」と、トランプリスクを筆頭に挙げている。
10大リスクの中には、トルコや南アフリカの政治問題など、日本では報道されることが少ないリスクも入っていて、興味深い。
一方で、2つ目に挙がっている「(米国に対する)中国の過剰な反応」は疑問に感じた。指摘されているような、トランプ大統領と習近平国家主席のガチンコ勝負のような事態が本当に起きうるだろうか。
米国人と中国人は意外と似た者同士で、どちらも商売(ディール)に長けている。本音と建前を上手に使い分けながら、決定的な危機は回避して双方が折り合えるようしぶとく交渉を続けていく気がする。
今年は中国より、むしろ欧州のほうが危険だろう。10大リスクでも「弱体化するドイツ・メルケル首相」と指摘しているが、注目すべきは4〜5月に予定されているフランスの大統領選挙だ。
保守派のフィヨン氏が勝てば心配はないが、トランプ大統領に親近感を隠さない極右のルペン氏が勝利するようなことがあれば、EU(欧州連合)の屋台骨を形作る独仏同盟が揺らぎかねない。メルケル首相率いるドイツ一国でEUを支えるのは難しく、混乱は必至だ。
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