先月、毎年12月に内閣府が発表する国民経済計算統計で、最新の国際標準(2008SNA)に対応し、GDP(国内総生産)の中身が一部変更された。これにより、15年度の名目GDPは従来の値から約31兆円拡大した。
防衛装備品の資本化や所有権移転費用の扱い精緻化など変更点は多岐に及ぶが、図表1のようにGDPの上振れに最も影響を与えたのはR&D(研究開発)の資本化だ。
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従来、R&Dへの支出は原料などと同様に中間消費として扱われ、最終的な製品・サービスの付加価値に含まれるととらえられていた。今回の変更ではこれを建物や機械などの設備投資と同様、総固定資本形成の扱いに変え、「知的財産生産物」の付加価値としてGDPに別途算入することになった。イノベーションとの関係から知識ストックを資本としてとらえる昨今の考え方を反映したものだ。
具体的に新たに付加価値として計上されるものは何か。
まずR&Dに関連する建物や設備などは、これまでも総固定資本形成に算入されていたため、対象にならない。計上されるのは、研究員の人件費や物件費、材料費、R&D関連の減価償却費・固定資本収益などを基とした推計値だ。
市場性のある民間学術研究機関は産出額が明確なものの、多くを占める企業内研究開発や公的な研究機関の場合は市場価格がない。そのため、費用積み上げで付加価値を推計する。その際、公的な研究機関においては、非営利のため固定資本収益は存在せず、人件費や物件費なども、従来、政府最終消費支出に算入されていたため、新たな加算対象とはならない。
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