大手総合化学メーカー、三井化学の業績が急回復している。2008年度から13年度までに5度も最終赤字を計上し、一時は「総合化学の負け組」と呼ばれたが、今16年度の利益水準は10年前の過去最高益に迫る勢いだ。復活への手応えについて淡輪敏社長に聞いた。
──業界でも好調ぶりが目立つ。
前半に円高進展の逆風があったが、それでも年間の営業利益は880億円(前年度比24%増)、最終利益も500億円(同117%増)と過去2番目の水準になりそうだ。構造改革で基盤素材(=石油化学基礎品や誘導品)部門の収益性が改善しているうえ、戦略分野である機能性材料の販売数量が伸びている。
基盤素材は14、15年度にウレタン原料やフェノールなどで思い切った構造改革を実行している。いずれもかつては収益柱だったが、中国企業の台頭によって市況が崩れてしまった。鹿島工場を閉鎖するなど、こうした大型汎用市況品の国内生産を縮小し、ようやく基盤素材の赤字を解消できた。
──復活の手応えは?
これくらいの業績では満足していないが、改革の手応えは感じている。この3年間、基盤素材の構造改革を進める一方で、付加価値の高い機能性材料分野の強化に取り組んできた。同分野で700億円前後の営業益を出せる力はついた。
10年前の最高益は汎用品の市況が高騰したおかげだったが、今年度は全社利益の8割近くを機能性材料が稼ぐ。ポートフォリオの変革が進み、市況に左右されにくい収益構造になってきた。
──次は成長戦略が問われる。
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