米化学大手のダウ・ケミカルとデュポンが昨年末に経営統合で合意。さらに、中国化工集団による農薬大手シンジェンタ(スイス)の買収が決まるなど、化学業界では世界的に大型再編の動きが相次ぐ。こうした中、国内勢はどう生き残るのか。総合化学の国内大手、住友化学の十倉雅和社長に聞いた。
──海外での一連の大型再編と、その影響をどう見ているか。
ダウ・ケミカルとデュポンの再編はモノ言う株主のプレッシャーに促されたものだろうが、あれだけ大きな2社が合併を短期間で決めたスピード感はすごいと思う。ただ、今回の再編で、われわれの競争環境が大きく変わるとは考えていない。
単一商品の販売を競う自動車メーカーなどと違って、化学業界は製品群が多岐にわたる。当社でいうと、デュポンとは農薬、ダウとは石油化学製品で競合関係にあるが、全体から見れば一部。今までも強力なライバルという認識はあまりなかった。
──国内で大型再編の可能性は?
大手同士が丸ごとくっつくような再編は考えにくい。十数年前には当社と三井化学が経営統合寸前まで行ったが、当時は両社とも装置産業の伝統的な石化部門が主力で、規模を拡大することにメリットがあった。しかし、今は各社とも、汎用の石化からいわゆるスペシャリティケミカル領域へと軸足を移しており、個社ごとに得意分野は違う。合併してもメリットは少ない。
──では、世界の化学業界の中でどうやって勝ち残るのか。
方向性は明確だ。当社は農薬・飼料添加物、液晶・半導体向けの電子材料、医薬品などの高付加価値分野の強化に取り組んできた。すでに利益の大半をこれらが稼ぐまでになり、前期は過去最高の連結営業利益(1644億円)を計上できた。こうした基本戦略をより加速する。
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