失速したといわれる訪日外国人客の「爆買い」。しかしその実態を把握するのは簡単ではない。
現状で訪日客の消費行動に関する基礎データは、観光庁が公表する「訪日外国人消費動向調査」である。四半期ごとに9710のサンプルを集めることを目標に、回答者の属性(国籍、性別、年齢)や消費額などを調査している。
観光庁は、同調査に日本政府観光局が公表する訪日客数を掛け合わせて消費総額を算出する。2016年7〜9月は9717億円と前年同期比で2.9%減(図表1)。マイナスは4年3四半期ぶりだ。
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では、この額はどの程度信頼できるのだろうか。観光庁の報告書によると、7〜9月期調査の有効回答者数は7395、目標の9710を大きく下回る。国籍別では韓国(42.6%)、中国(15.9%)、台湾(12.0%)と続く。これは訪日旅客数の構成比、中国(30.8%)、韓国(21.3%)、台湾(17.2%)と異なる。そこで全体の1人当たり消費額を算出する際には、国籍別の1人当たり消費額を、訪日旅客数の構成比を用いて加重平均している。
220億円の誤差
こうした算出方法では、国籍別の1人当たり消費額をいかに正確に把握するかが重要になる。最も消費額の多い中国(22.7万円)を例にとると、精度(標準誤差率)は2.5%。統計学の考え方を用いると、プラスマイナス約1.1万円の誤差がある。同期の中国人の訪日客数が約193万人なので、訪日中国人の消費総額だけでも、約220億円の誤差があるということになる。さらに、精度が中国より低い(標準誤差率が大きい)国も多い。
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