消費増税が行われた2014年度はプラス成長だったのではないか──。そんな議論がにわかに湧き起こっている。
きっかけは7月に日本銀行が公表した1本の論文。内閣府が公表している14年度の実質GDP成長率は前期比1.0%のマイナスだが、日銀の試算では2.4%のプラスにハネ上がる。今年6月の消費増税再延期の背景に、14年度の増税後の景気腰折れがあっただけに、無視できない乖離だとも思える。

GDPには支出、生産、分配(所得)のどこから見ても同じという三面等価の原則がある(→関連記事へ)。内閣府の公表値は支出側と生産側から算出されているが、日銀は分配側からの推計だ。所得の把握に税務データを活用したのがポイントで、企業の動向や雇用者報酬をより網羅的にカバーできたと主張する。
確報までに0.46%も改定
ただ、どちらが「正しい」と軍配を上げるのは難しい。もともとGDPは工業統計や商業統計など各種の基礎統計を積み上げて算出されている。国勢調査のような全数調査でない以上、「絶対的に正しい数値があるわけではない」(ニッセイ基礎研究所の櫨(はじ)浩一専務理事)。内閣府の公表値も、日銀の試算値も、共に一定のルールによって算出された推計値にすぎない。
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