官公庁の統計の中で、いち早く足元の景況感をつかめるのが「景気ウォッチャー調査」だ。対象はスーパーや百貨店の販売担当者や製造業の経営者など、景況感を把握しやすい職種の中から選ばれた2050人。毎月25日から月末にかけて調査を行い、翌月の第6営業日に発表される。いわば取れたての情報である。
9月8日に発表された8月の景気の現状判断DI(3カ月前と比べて「良くなっている」から「悪くなっている」まで5段階の判断を基に算出)は、前月比を0.5㌽上回り2カ月連続で上昇した。ただしDIは45.6と、横ばいを示す50を13カ月連続で下回っている。家計、企業、雇用の三つでは家計動向の水準がいちばん低いことが見て取れる。

“最速”だけじゃない! 使い道はさまざま
景気ウォッチャー調査の特徴は速報性だけではない。現状判断に対する具体的なコメントが全国11の地域別に掲載されており、現場の声を把握できるのが利点の一つだ。第一生命経済研究所の首席エコノミスト・嶌峰義清氏は、「数字が苦手な人でもあのコメントを読めば大まかな景気の雰囲気はつかめるはず。地方で営業をしている人などにも役立つのではないか」と話す。
自分が働く地域の景況感をつかむだけでなく、特定の言葉を決めて景気ウォッチャーのコメントを見るという使い方もできる。
たとえば、訪日外国人による購買単価の落ち込みもあり、全国百貨店売上高は今年7月まで5カ月連続で前年同月を割り込んでいる。日本百貨店協会が前月実績を発表するのは翌月の20日前後。一方、景気ウォッチャー調査は前月下旬の状況が翌月上旬に発表されるため、「百貨店」をキーワードにコメントを拾い読みすれば、業界統計よりも先に販売の動向が大まかに把握できる。ほかにも「インバウンド」をキーワードにすると、百貨店やホテルのみならず、住宅販売会社やテーマパークなどさまざまな業種や職種の人たちがコメントが見られる。
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