日本株は年初からの急落後、基本的には戻り歩調にあるとみられる。しかし急速な円高による景気と業績への不安やイベントリスクに振られ、依然として不安定だ。
日経平均株価は2月中旬に一時1万5000円を割り込んだ後、3月初めに良好な米国経済指標が好感され、2月末の1万6000円近辺から1週間足らずで1万7000円を超えた。
だが、4月初めに日銀短観の弱い内容とその後の急速な円高で、1週間程度で1万5000円台半ばまで下落。4月末にかけて追加緩和期待から1万7500円を超えたものの、追加緩和が見送られると失望から一時1万6000円を割り込むなど、ジェットコースターのような動きになっている。
円高を受けて企業業績が頭打ちになっている面はある。東証1部企業の2016年度の企業業績予想(会社発表ベース)は、経常利益で前年度比トントンから微減益になっている。証券会社など市場参加者の予想では同プラス5〜10%だが、円高の影響を受けて下方修正方向にある。
しかし株価にはPBR(株価純資産倍率)1倍という「下限」がある。PBRは株価を、「企業の解散価値」といわれるBPS(1株当たり純資産)で割ったものだ。PBRが1倍の場合は株価と解散価値が同水準であることを示す。
過去の日本株とBPSの動きを見ると、08年9月のリーマンショックごろから12年末にかけて、株価とBPSがほぼ同水準(PBR1倍前後)で推移していた(図1)。この期間は日本経済に対する悲観論が蔓延していたが、それでも、株価がPBSを大きく割り込むことはなかった。
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13年以降はアベノミクスに対する期待から株価は上昇に転じた。円安の追い風もあって企業業績が好転したことで利益が積み上がり、BPSが底上げされ、株価上昇は企業価値拡大という形で裏打ちされてきた。PBRは日経平均株価が2万円を超えた15年半ばに1.4倍程度まで上昇していた。
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