副作用がさまざまに指摘され、評判の非常に悪い日本銀行のマイナス金利政策。マネーを預貯金としてため込むのではなく、融資や投資にシフトさせるという狙いがある。その効果はどうか。日銀が公表した3月のマネーの動きを見てみる。
まず、日銀が供給しているマネタリーベースは3月末で375兆6977億円に達した。平均残高ベースでは362兆6050億円で、前年同月比で28.5%の伸びとなった。うち日銀券発行高は95兆1906億円で同6.7%の高い伸び。
一方、マネーストックは、M3で2.6%増と2月と同様だった(図1)。日銀は毎月80兆円のマネタリーベースの積み上げを続けているが、貸出が低調で、マネーストックの伸びは低いままだ。
うち、現金は同6.8%増で、日銀券発行高の伸びと整合的。現金は一貫して増えているが、15年に入って、前年同月比伸び率が急速に高まっている(図1)。ニッセイ基礎研究所の上野剛志シニアエコノミストは、「15年1月からの相続増税や10月からのマイナンバー制度の導入、16年2月からのマイナス金利政策を背景に、タンス預金が増加している」と見る。預金通貨(普通預金など)も同5.3%増と高い伸びになった。
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他方、準通貨(定期預金など)は同0.1%増と伸びが鈍く、譲渡性預金は7.7%減と大幅に減った。マイナス金利政策に伴い、これらの商品の金利が急低下したため、現金や普通預金のままにしている人が増えたと考えられる。
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