安倍政権が企業に賃上げを要請する「官製春闘」が始まって3年目だが、2016年の賃上げは昨年の水準を下回って終わりそうだ。
大手企業について経団連(日本経済団体連合会)が4月18日に発表した第一回集計では、平均の賃上げ率は2.19%、賃上げ額は7174円。300人未満の企業を含む連合(日本労働組合総連合会)の4月12日の集計では、賃上げ率は2.06%、額は6077円。いずれも前年の同時期の集計を下回っている(図1)。
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厚生労働省が7月末に行う集計では、15年の賃上げ率は2.38%、14年は2.19%だったが、今年はこれが2.1〜2.2%になるというのが大方の見立てだ。
安倍政権は企業収益の拡大が雇用拡大・賃金上昇につながり、それが消費・投資を拡大し、企業収益のさらなる拡大を生むという“経済の好循環の実現”を掲げてきた。そのためには、賃上げのうち定期昇給とは別に、ベースアップが実施されることが重要だ。
中央労働委員会の資料によれば、定期昇給分は1.8%前後あり、過去2年間の官製春闘の下でも、(図2)に見るように「定期昇給を除くベースアップ分は0.3〜0.7%にすぎない」(ニッセイ基礎研究所の斎藤太郎経済調査室長)。
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連合の要求からして、15年は「定期昇給相当分の確保を前提に2%以上」だったが、16年は「2%程度」とトーンダウンした。賃上げ交渉には、人手不足というプラス要因があったものの、要求を掲げた昨年の秋ごろには中国経済を筆頭に世界経済が減速、原油価格の下落により消費者物価が下落に転じたことなどがマイナス材料となった。
加えて、年明けからは金融市場の混乱や円高の進行など、企業を取り巻く収益環境が急速に悪化したことが、逆風となった。トヨタ自動車の豊田章男社長が「経営環境の潮目が変わった」とコメント、同社が昨年の4000円を大きく下回る1500円のベアで妥結したのが象徴的だ。
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