「日銀短観」12月調査からは、足元の景況感はよいものの、企業が先行きに不安を感じていることが読み取れる。
足元の業況判断DIは大企業製造業でプラス12ポイントと前回の9月調査比横ばいだった。大企業非製造業もプラス25で横ばい。中堅・中小企業含め景況感は維持された。
一方、先行き3カ月後の景況感は大企業製造業がプラス7で5ポイントの低下、大企業非製造業がプラス18で7ポイントの低下と悪化が見込まれている。中堅・中小も同様の傾向だ。
日本経済の先行きを見るうえで賃金と並ぶ焦点の一つである、2015年度設備投資(土地投資額を含む)の計画は全規模全産業では前年度比7.8%増で、9月調査の6.4%増から上方修正となった。しかし、注目される大企業製造業は前年度比15.5%増と高いものの、9月調査から2.7ポイントの下方修正。例年、12月調査では小幅に下方修正されるクセがあるが、今回はやや大幅な修正となった。これに対し、大企業非製造業は同8.5%増で1.3ポイントの上方修正だった。
業種別の内容を見ると、製造業の下方修正を招いたのは主に「業務用機械」「電気機械」「自動車」であり、非製造業の上方修正に主に寄与したのは「不動産」「宿泊・飲食サービス」となっている。
ニッセイ基礎研究所の上野剛志シニアエコノミストは、「製造業の下方修正は新興国の経済減速、国内の自動車販売低迷などの影響であり、非製造業の上方修正は企業の都心へのオフィス集約化や、訪日外国人客の増加によるホテル不足が背景と考えられる」とする。気になるのは、「大企業を中心に16年3月にかけて下方修正される可能性がある。内容も内外の需要増加による生産能力の拡張ではなく、人手不足を理由とした効率化投資中心になるのではないか」(上野氏)という指摘だ。
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