アパートローンの拡大が続いている。アパートやマンションといった賃貸不動産向け融資のことだ。中小企業向け融資が伸び悩む中、金融機関は「個人による貸家業」向けの融資を伸ばしている。2015年9月末の同残高は銀行と信用金庫を合わせ26兆円超。日本銀行による開示が始まった09年6月末に比べ、銀行で1.07倍、信用金庫で1.17倍となり、過去最高に膨らんでいる(図1)。
東京都内のある信用金庫幹部は嘆く。「思い切って年0.8%という低い金利で出したアパートローンを地方銀行に0.5%台で奪われた。それをさらに別の信金が0.3%台で肩代わりした」。
超低金利で実行したアパートローンも、返済されればいい。だがその前提は、入居する人が十分にいて、家賃が想定どおりに入ってくること。その入居状況に今、異変が起きつつある。新築アパートの空室率が急速に悪化しているのだ。図2はトヨタ自動車系の不動産評価会社、タスが調査した首都圏新築アパートの空室率。14年後半から上昇を始め、特に神奈川県で悪化が著しい。
この空室率は、不動産情報会社・アットホームで募集中(=空室)のアパート総戸数や、国勢調査、住宅土地統計調査などを基に算出した推計値。これによると、神奈川県の新築アパート(築12カ月未満)は、10件のうち7件近くが空室になっている。
この背景をタスの藤井和之主任研究員は「新築アパートの供給が増えている。その一方でアパートの契約を更新する人の率も高まっている。つまり新築ができても、おカネをかけてまで新築へ引っ越す人が減っている」と分析する。
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