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円高が企業業績の足かせに 大規模な景気浮揚策が必要 為替差損リスクを警戒、熊本地震も悪影響

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  • 藤戸 則弘 三菱UFJモルガン・スタンレー証券 投資情報部長

日本銀行がマイナス金利政策の導入を決定した1月29日以来、日銀の思惑とは逆に円高が進行している。ドル円相場は一時1㌦=107円台まで進み、その後も円高のプレッシャーは払拭されていない。

日本政府・当局は「投機的な為替の動きには、しかるべき措置を取る」と円高牽制発言をし、一時的に円高の勢いが弱まる局面はあった。

だが、米国のルー財務長官が、20カ国・地域(G20)財務相・中央銀行総裁会議後の記者会見で「最近の円高にもかかわらず、為替市場は秩序を保っている。G20声明では、自国通貨切り下げ競争を回避することが再確認された。日本は外需ではなく、内需に頼る必要がある」と述べ、日本の為替介入に対し釘を刺した。

米国としては行き過ぎたドル高が是正され始め、不振だった製造業にも底入れ感が見られている。「この流れに逆らうような為替介入は認めない」(ルー財務長官)と公的に発言したわけだ。

為替介入が実施できないのならば、マーケットは日銀の追加緩和策に期待をつなぐことになる。だが、マイナス金利政策導入後のドル円相場が象徴的だが、日銀の金融政策は限界に達している。インフレスワップ(5年物)の推移を見ると、昨年5~6月には1.40%弱で推移していたが、昨年後半から下げ足を速め、マイナス金利政策導入後の3月22日には、マイナス0.08%まで急低下する局面があった。

これは、再びデフレに陥るリスクを投資家が警戒していることを表している。すでに10年国債金利がマイナス1.0%前後で推移している状況で、新たな緩和策を発動しても、それが理論どおり円高を止めて、円安方向に向かわせられるかは不透明感が強い。

こうした状況を考えると、円高圧力は容易には消えそうもない。重要なのは、日本企業の決算発表シーズンが近づいており、足元の円高トレンドが企業経営者のマインドに大きな影響を及ぼす可能性が高まっていることだ。

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