円高・ドル安が進行している。
4月11日時点で1㌦=107円90銭前後で推移している。おおむね1年5カ月ぶりの円高だ。背景には、米国の利上げ見通しの後退がある。3月16日のFOMC(米国連邦公開市場委員会)で利上げが見送られ、さらにこれまで年4回とされていた利上げ回数が、市場の期待に即して年2回に改められた。
世界経済を見渡せば、欧州金融機関が抱える信用リスクの問題や、中国経済の先行き不透明感、英国のEU(欧州連合)離脱問題などは残ったままだ。消去法的に円が選好された結果、円高・ドル安が一方的に進行する構図となっている。日本株もこれに大きな影響を受けている。
近年は特に為替レートと株価の連動性が高い。実際、第2次安倍晋三政権が始動した2013年以降、TOPIX(東証株価指数)とドル円レートとの相関係数は0.7を超えている。
この相関係数は「資産バブル崩壊期」(1990~05年)にはほぼゼロ、その後の06~12年は(特殊な期間を除いて)0.6程度となっている。そしてこの変化は、ゆっくりと段階的に起こったのではなく、断層的に起こっているように見える(図1)。なぜ、このように一挙に為替と株価との関係が変化したのか。
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輸出企業を基幹とする日本では、以前より円安=株高という認識が一般的だった。これが資産バブル崩壊期には、株高を伴う「よい円安」と、株安を伴う「悪い円安」とが混在するようになり、必ずしも円安=株高という図式が定着しなくなった。
近年「よい円安」が定着
多くの金融機関が破綻した96~98年に、相関係数は大きくマイナスに転じたが、この時期などは「悪い円安」の典型といえるだろう。
00年代前半に、金融機関の不良債権問題がほぼ解決すると、円安=株高の関係が復活した。この関係は13年以降さらに顕著になり、今に至っている。
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