年初からの世界的な相場の混乱で、GPIF(年金積立金管理運用独立行政法人)の運用パフォーマンスが厳しくなってきている。
昨年7~9月期(第2四半期)の期間収益額は、前期末比マイナス7兆8899億円という膨大な評価損だった。収益率では同5.6%のマイナスだ。8兆円近い評価損とメディアでも喧伝されたので、ご記憶の方も多いだろう。
昨年9月末の株価・為替水準は、日経平均株価が1万7388円に軟化し、ドル円相場は1ドル=119.8円だった。「チャイナショック」による株安が大きく影響していたのだ。
ところが10~12月期になると、期間収益額で前期末比プラス4兆7302億円(収益率では同3.56%のプラス)に回復した。12月末の株価・為替水準は日経平均が1万9033円、ドル円相場が1ドル=120.2円となった。つまり、株価の反発が回復の主たる要因であった。
リスク資産6割が裏目に
市況によってこれだけ四半期ごとのパフォーマンスがブレるのは、GPIFのポートフォリオが、リスク資産に約6割を投じる“攻撃的な”内容になっているからだ。
GPIFのアセットアロケーション(資産配分)は、昨年12月末時点で1.国内債券37.8%、2.外国債券13.5%、3.国内株式23.3%、4.外国株式22.8%、5.短期資産2.6%だった。外貨建て資産の割合は36.3%に達している。それゆえ国内株の下落も痛いが、円高傾向が大きく影響している。
資産運用額が139兆8249億円(12月末)の巨大ファンドとなれば、大規模なヘッジは事実上不可能である。今年2月末の相場水準が日経平均1万6026円、ドル円相場1ドル=112.7円という現実を考えると、足元はそうとう厳しくなっているとみられる。当社シミュレーションによれば、2月末時点の評価損は9兆8065億円に達している。つまり、GPIFの年度末である3月末まで株安・円高傾向が続けば、昨年7~9月期よりさらに厳しい評価損を計上するリスクが高まるわけだ。
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