有料会員登録 東洋経済オンラインとは
政治・経済・投資 #株式観測

ECBの追加金融緩和 日本市場にはプラス

3分で読める 有料会員限定
  • 重見 吉徳 Pモルガン・アセット・マネジメント チーフ・グローバル・マーケット・ストラテジスト

日本株市場は、嵐に耐え、小康を得たように見える。しかし市況解説は、相変わらず思考停止とも言える為替動向の話ばかりだ。

最近はこれに、金融緩和限界説と国内金融機関の業績懸念が加わった。しかし、円高や銀行の業績悪化に対する懸念は、今後和らぐかもしれない。欧州中央銀行(ECB)がその道筋をつけた可能性があるためだ。

ECBは今月10日に金融政策理事会を開き、追加の金融緩和措置を公表した。具体的には1.三つの政策金利をすべて引き下げる、2.債券買い入れ対象を投資適格社債まで拡大する。それを通じて3.毎月の買い入れ額を増やし、また4.期間4年の長期資金供給オペを追加実施するとした。

一方でドラギECB総裁は会見で、日本銀行や北欧の中央銀行が適用する準備預金金利の「階層構造」導入を否定した。政策金利を据え置き、今後はフォワードガイダンス(低金利を据え置く期間に関する確約・コミットメント)を強調していくとした。

結論から言えば、この政策は、矛盾するかに見える命題のバランスをうまく取ったという意味で、プラスの評価ができる。また今後の円相場や日銀の政策に与える影響という点でも、日本市場にとってプラスに働く要素を備えている。以下、ECBの決定内容を吟味してみよう。

革新的なECBの政策

まずユーロ圏の実体経済については、銀行の収益基盤悪化を防ぎつつ、企業や家計の資金需要刺激を狙うようなメッセージを発信した。

他国中銀への示唆を含む国際的な観点では、金融緩和措置に革新的アイデアを提供しつつ、為替切り下げ競争の状況にノーサイドの笛を吹いたと言える。

つまり、金融緩和限界説を払拭すると同時に、他地域がさらなる金利引き下げ競争に進むのを防ぐように行動したのである。

こちらの記事もおすすめ

あなたにおすすめ

政治・経済・投資

人気記事 HOT

※過去1ヶ月以内に配信した記事の閲覧数