日本に先駆けマイナス金利を導入している国はいくつか存在するが、中でもデンマークとスウェーデンはそのモデルケースとして知られる。人口1000万人にも満たない小国が世界中から注目されているのは、銀行・企業・家計の行動に、マイナス金利の影響が鮮明に表れたことにある。
デンマークは2012年7月に、先頭を切ってマイナス金利を導入した。14年4月にいったんは解除したが、同国の通貨クローネはユーロにプラスマイナス2.25%の変動幅を持ってペッグしているため、ユーロ圏がマイナス金利を導入して以降、14年9月に再度導入に踏み切った。
マイナス金利は国民にさまざまな影響を与えた。金融大手のダンスケバンクでは、傘下の銀行(Realkredit Danmark)がいち早くマイナス金利の住宅ローンを提供した(3年固定でマイナス0.0172%、ただし別途手数料が必要)。一方で預金金利は0.1%弱に低下し、大手企業からは預金口座の管理手数料を徴収している。実際の手数料は個別交渉で決まり、中小企業は部分的な徴収となっている。
実はデンマークでは、マイナス金利下でも収益を維持している銀行が多い。伝統的な銀行業務で資金利ザヤを稼ぐモデルから、資産運用や株式売買、M&A(企業の合併・買収)での手数料収入を得るモデルへの転換に成功したためだ。米銀の成功に倣い、ウェルスマネジメントに注力したドイツやスイスの大手行が、結局は高コスト体質を変えられず収益の低下に悩まされているのとは対照的だ。
スウェーデンの中央銀行は、1668年創立の世界最古の中銀であり、物価水準を目標とした金融政策を初めて導入するなど、大胆なアプローチで知られる。
スウェーデンは先進国でも高い貯蓄率を誇るが、7%と高い失業率が続き、シリアなど中東での紛争を契機に難民の流入が悩みの種となっている。景気悪化への警戒感は根強く、イングベス中銀総裁は、日本銀行のマイナス金利導入後の2月11日、政策金利を0.15%㌽さらに引き下げ、マイナス0.5%とした。
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