1月29日の日本銀行によるマイナス金利政策導入決定以降、「株式の債券化」が進むと主張してきた。その論旨は、世界的な労働力人口の伸び鈍化や資本蓄積など、折からの投資機会の減少に加え、支払利息など負債コストの低下が企業の資本返還に拍車をかけるというものだ。
言い換えれば企業はリスクテイカーではなく、増配や自社株買いを増やし「キャッシュ払い出しマシン」になる。結果、株式は安定したキャッシュフローを生み出す債券に似た値動きをする。金利が上がれば株価が下落する動きとなり、久々に業績相場から金融相場へ回帰する。
2月以降の株式市場を検証してみよう。株式の債券化や金融相場を測るうえでわかりやすいのは、日本株と日本の長期金利との相関係数だ。TOPIX(東証株価指数)と10年国債利回りとの相関係数(52週移動)を見ると、2月12日週を境に恒常的にマイナスに陥っている。これは金利が上昇すると株価が下落する、金利が低下すると株価が上昇するという債券的な関係(金融相場)にあることを表している。
相関係数は安定してマイナス0.2を下回っており、この水準は1992年以来のことだ。TOPIX17業種で見ると、マイナス金利導入前に相関係数がマイナスなのは2業種のみだったが、現在は銀行を除く16業種がマイナスだ。これに近い状況は99年のゼロ金利導入直後にも見られたが、これほど多くの業種が安定してマイナスになることはなかった。さらにTOPIXのデュレーション(株価の金利感応度)も91年以来のマイナス幅にある(図1)。
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読者の中には、アベノミクス以降の長期金利と株価を見れば金利低下と株価上昇のセットは当然だ、と思われる方も少なくないだろう。たとえば2014年1年間はそうした動きが顕著に見られた。
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