世界の株式市場は、リスク資産に買いが集まるリスクオンの傾向が強まっている。9月下旬に当面の底を打ってから、株価は10%程度上昇した。
2014年10月に量的緩和策(QE)が終了して以来、市場ではFRB(米連邦準備制度理事会)がいつ利上げに踏み切るのかが最大の関心事であった。対する株式市場の反応はさまざまだが、おおむね早期利上げ観測が強まると株価下落、観測が弱まると株価上昇であった。ただ悪い経済指標が出た場合は、利上げ観測が弱まっても株価は下落するときもあった。
このように市場の反応にバラツキが出るのは、金融政策のパラダイムが変わろうとしている時期であり、金融政策スタンスに対する評価が混乱しているためである。
米国の金融政策の目標は時代によってテーマが変わってきた。戦後の米国でインフレが目立ち始めた1960年代後半から90年代前半まではインフレ抑制が金融当局の最大の課題であり、景気を多少犠牲にしてもインフレ抑制政策を優先した。ここではこれを「インフレ型金融政策」と呼ぶ。このパラダイムの下では、利上げは景気にマイナスの影響を及ぼすという認識から株価が下落し、利下げは逆に上昇する傾向になる。
90年代半ば以降、インフレ率は年2%前後でほぼ安定するようになった。このような局面における金融当局の課題はインフレ率安定である。一般にインフレ率が上がる局面は好景気であるため、利上げは好景気の証左と受け止められる。利上げは景気の先行きにマイナスの影響を及ぼすことに変わりはないが、景気拡大がそれをカバーするだろうという認識から株価は上昇しやすくなる。反対に利下げは景気後退を示すと見なされ、株価も下落しやすい。こうした局面における金融政策をここでは「ディスインフレ型金融政策」と呼ぶ。
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