11月6日金曜日に発表された10月分の米雇用統計は、被雇用者数の前月からの増加幅が27.1万と、大幅な伸びとなった。これを受けてFRB(米国連邦準備制度理事会)は、12月15~16日に予定される次回のFOMC(米連邦公開市場委員会)で利上げを決定するとみられる。
筆者は、10月分と11月分の米国被雇用者数増加幅が平均して15万を上回れば、FRBは利上げを行うと予想していた。10月分は単月でこれをほぼクリアしてしまった格好だ。仮に11月分が大幅に落ち込んでもFRBはこれを「一時的」と見なし、12月の利上げに踏み切るだろう。FRBは市場の利上げ期待に沿わざるをえないと考えるためだ。
VIX指数で見た株式市場のボラティリティは低下している。懸案だった中国景気についてもPMI(購買担当者景気指数)によれば、底打ちとまではいかないものの下げ止まる兆しが出ている。FRBはもはや9月のときのように国際情勢の悪化を利上げ延期の理由にはしないだろう。図1のように、近年はインフレ率低下の局面でFRBは量的緩和を行ってきたが、今回は公約どおり金融引き締めに動く可能性が高い。
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FRBはもはや手詰まり
ただし米国の実体経済の不透明さを勘案すれば、年内の金融引き締めはまだ早い。当面は様子見を継続するべきタイミングである。
ISM製造業景況指数や鉱工業生産指数、PCEコア・インフレ率などの米国の主要景気指標は、実体経済が踊り場にある状況を示している。何よりも雇用の先行きを握る企業業績は低調さが続く。
FRBは、よくも悪くも金融市場の目が労働市場ばかり向くよう仕向けてきた面がある。そして目下の労働市場好調はすなわち景気回復・利上げ実施という結論に至りがちだ。FRBとしては今さらほかの指標を持ち出して景気判断を足踏み状態と評価するわけにはいかないのだろうが、今の米国実体経済は回復基調とは呼べないのが実情だ。
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