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“三方よし"は恕(じょ)の心 近江商人のポリシーとその実践方法

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滋賀県の経済同友会から「近江商人について話してほしい」という依頼を受けた。同会は研究熱心で、年に4~5回課題を設けて会を開くのだそうだ。その雰囲気は、控室で代表幹事や事務局長と雑談をしているときにもうかがい知れた。

開催者によっては「われわれがいるとお邪魔でしょうから」と、私を一人にして話の思いやプロットを練るようにと心遣いをしてくれる。が、私は必ず「よろしかったらここにいてください」と頼む。私にとっては控室での雑談がウォーミングアップであり、本番のリハーサルになるからだ。

私のほうでは何げなく言葉にする話でジャブを出している。「こんな話で今日の聞き手は満足しますか」。相手のほうも笑顔でジャブを出してくる。「こんなことにも触れてくださると参考になりますよ」 当日は「近江商人のポリシーとその実践方法」について話した。私は話すときにメモは持たない。当日の朝早く起きて資料を操りながらメモを作る。メモは会場で読むために作るのではない。頭に暗記させるためだ。つまりメモは紙に書いてはいるが、実は頭の中に刻みつけているのだ。書き終えるとき、内容はかなりの精度で記憶化されている。

会場では必ず白板を用意してもらって、フェルトペンで口ではわからない(と思われる)用字を書く。何百人という聞き手の場合は、スクリーンに拡大して映してくれるところがある。これはありがたい。

近江商人のポリシーはよく知られているように“三方よし”。自分よし・相手よし・世間よしだ。自企業もほどほどの利益が得られる。客(相手)もよい品物を適正な価格で得られる。これによって客と商人との間に強固な信頼関係が生まれ、広がっていけば社会(世間)そのものが、信頼に満ちた豊かなものになる。当たり前の商業道徳だ。しかしこの当たり前のことがいざ守るとなるとなかなか難しい。

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