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農地集約と大原幽学 世界で最初に協同組合を設立した男

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TPPの大筋合意によって、政府も日本の農業の活性化策づくりに着手した。その中に「農地集約」の課題がある。すでに昨年「農地集積バンク」が全都道府県に設立されてはいるが、その利用実績はまだ低迷していると報ぜられている。

この課題について思い起こすのが、江戸末期の農政学者、大原幽学のことだ。

4年8カ月前の東日本大震災の年は、実は国連提唱の“国際協同組合年”だった。が、一部に記念活動はあったが、政府もマスコミも必ずしもこの趣旨を普及するのに、それほど熱心だとは思えなかった。復興の一つのきっかけを逃した、と私は個人的に残念に思っている。

協同組合の発祥は世界史的には、ロンドンの技術者組合やドイツのパン屋組合だといわれる。日本の天保年間後期のことである。が、実際には天保9年(1838年)に大原が指導し、長部(ながべ)村(千葉県旭市)に設立した「先祖株組合」のほうが古い。もっといえば、二宮金次郎(尊徳)が文政年間に桜町(栃木県真岡市)で展開した「報徳仕法」のほうがさらに古い。世界における協同組合は、日本がいちばん古い歴史を持っている、といってもいいすぎではない。

大原の「先祖株組合」というのは、疲弊した農村の復興のために、各農家が所有地の一部を拠出し、これを設立した協同組合の管理下に置いて、農作物の生産・販売を行おうというものである。ただし大原は道学者だったから、参加組合員には“自分のことだけでなく、他人のことも考える協同の心”を求めた。

「協同組合はカネで結び付くのではなく、心で結び付く人間の集まりだ」といわれる淵源だろう。もちろん今はカネも大事にしなければならないが、大原の指導は農業の計画化、共同作業化(助け合い)、過度の古い習慣の是正、そのための夜間の学習などをシステム化した。

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