「日本経済は世界第3位」と言うときの指標は名目GDP(国内総生産)だ。ただ、各国の物価格差を調整した購買力平価ベースのGDPでは、名目で10位のインドに抜かれ4位である。
2014年の購買力平価ベースのGDP順位はトップが中国の18.03兆ドル、2位米国17.41兆ドル、3位インド7.39兆ドル、4位日本3.74兆ドル。以下、ロシア、ドイツ、ブラジルと続く(出所は世界銀行)。つまり、実質的に日本は中国や米国の約20%の経済力しかないということだ。
世界のGDP合計に占める日本のシェアは4.3%。これはピークだったバブル末期に比べるとほぼ半減で、世界における影響力が半減したに等しい。これを喜ぶべきという人は、そう多くないだろう。
では、どうするか。日本の実質経済成長率は、先進国の中では、ギリシャ問題などで混迷を深めているEUよりも低い。経済成長率は人口と生産性に分解されるが、日本は少子化で人口の減少幅がG7の中では最も大きく、時間当たりの労働生産性もG7の中では最下位である(OECD加盟34カ国中20位)。
そうであれば、日本人に限らずに人口を増やす政策と、労働市場や農業など手つかずの分野に大胆に切り込むなど構造改革によって生産性を向上させる政策こそ、第一に手掛けられるべきである。
ソフトパワーも危うい
とはいえ、経済力をバブル期の水準に戻すのは無理。世界への影響力を回復させるには別の方法も必要だ。
軍事的なプレゼンスを高めて影響力を強めるという選択肢もあるだろう。国会で審議中の新安保法制は、この延長線上で考えられないわけではない。しかし、軍事力はカネ、すなわち経済力そのものなので論理的に破綻している。
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