今回の米大統領選挙は中傷合戦に終始し、政策論争が深まらなかった。誰もが予想できなかったのは、大本命である民主党のヒラリー・クリントン候補と最終的に対峙した共和党候補が、ドナルド・トランプ氏であったことだろう。
そのトランプ氏は、同盟国の日本に対してことさら挑発的だった。日本は米国に守られているのに、駐留米軍のコストを十分に負担していないと主張した。一方で日本の核武装を容認する姿勢を示すなど、奔放な発言ぶりに日本政府も戸惑うばかりだった。
しかし、全体として見ると、トランプ氏の言動を支持する層は決して薄くない。米世論調査団体ピュー・リサーチ・センターの調査では、「米国は自国のことだけを考えて、他国には自分で最善を尽くさせるべき」と答えた人の割合が、2002年は30%だったのに対し、13年は52%と過半を占めた。ほかの世論調査でも米国は世界の問題にかかわるべきではないという割合が上昇しており、内向き志向が強まっている。
安保、外交、経済 そこかしこにある不安
戦後70年を迎えた昨年、日本と米国が発表した共同ビジョン声明には、「かつての敵対国が不動の同盟国になった」と記された。そしてこのとき、米国議会で演説を行った安倍晋三首相は、安保法制(平和安全法制)の整備を引き合いに「これによって自衛隊と米軍の協力関係は強化され、日米同盟はより一層堅固になる」と語った。
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