ギリシャ問題と中国株の大幅下落。市場を覆っていた二つの懸念がとりあえず解消の方向に向かいつつある。
ギリシャ問題は国民投票による支援条件受け入れ否決で先行きが懸念されたが、ギリシャ政府はあらためて債権団の要求に歩み寄る形の改革案を提出した。内容は年金の政府負担を抑制し増税を実施するもので、土壇場で債権団とギリシャ政府は合意に至った。ギリシャ国内での政治プロセスはまだ残っており予断は許されないが、事態は確実に解決に向け動いている。
そもそもギリシャ問題については欧州全体のシステミックリスクに拡大するかどうかが、市場が本格的なリスク回避モードになるかどうかのポイントだ。スペインなどほかの周辺国への懸念拡大が見られないこと、欧州金融機関の株価が堅調に推移していることなどを考え合わせれば、問題は最悪でもギリシャ一国にとどまり、大きなリスクとはならない。
中国の伝播リスク小さい
他方、中国経済に対する懸念についても、6月中旬から一貫して続いた株価の大幅下落に歯止めがかかり始めた。中国政府は売買停止や売却禁止など、なりふり構わぬ株価下支え策を繰り出してきた。そうした施策はなかなか功を奏さなかったが、ようやく株価は反発し下げ止まり感が出てきた。
これにより市場心理は極端な不安感から解放されつつある。市場の関心事は株価動向そのものよりも中国の景気減速にさらなる追い打ちをかけるかどうかにある。中国の金融資本市場は国際市場から相当程度隔絶されていることから金融面で危機が伝播する可能性は小さい。株価下落、家計の購買力悪化、消費低迷、というルートで景気がどの程度悪化するかが焦点だ。
この点、株価上昇による消費加速などの好影響が見られず、経済全体に目立ったバブルが発生していないことからすると、逆に大幅下落による悪影響はさほどでもない可能性がある。株価急落のインパクトは直ちに市場心理面に及び、その後に実体経済への影響を確認することで拡散する。株価下落による実体経済への影響が顕在化するには時間がかかる。
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