今日は魚ではない“ぶり”のお話をしたい。
3月2日、日経平均株価は1万8826円と2000年4月以来15年ぶりの高値を記録すると同時に、リーマンショック前の高値である1万8261円を8年強ぶりに抜いた。5月22日には、東京証券取引所1部の時価総額が591兆円に達し、1989年12月の過去ピークを26年ぶりに更新した。そして、6月1日に日経平均株価は、27年ぶりとなる12連騰を記録した。それでも勢いは止まらず、6月24日にはやはり日経平均株価が、ITバブル期のピーク(00年4月2万0833円)を15年ぶりに上回り、同時に96年12月5日(2万0943円)以来約18年半ぶりの高値をつけた。
5月も好調だった株価
読者の皆さんも、決算発表シーズン直前の3~4月の段階で実に多くの市場関係者が、「現在の株価は堅調だが、5~6月にかけて調整に転じる」と主張していたことを覚えておられるだろう。調整の理由は「保守的な新年度の会社予想に対する失望感と、米国の利上げが迫ってくることによる市場の動揺」とのことだった。かの有名なアノマリー「5月に売れ(Sell in May)」なるフレーズを例年になく見聞きしたのは気のせいではなかろう。
実際には5月の日経平均株価の上昇率は5%を超えた。それでも「6月には下がりそうなので、5月に高値で売り抜ければよかったという意味だ」と強弁するお方まで出てくる始末。
話を現在に戻そう。想定以上の株価の強さの理由として、多くの市場関係者が指摘しているのが“企業業績への期待”。ただ、そのほとんどが、「いつ」の業績への期待かということを明らかにしていない。これはいったいどういうことなのか。
まずは、今15年度の予想増益率の推移を見てみよう。ラッセル野村日本株インデックス・ラージキャップ(除く金融、時価総額の上位350銘柄)の予想経常増益率は、決算発表シーズン前の今年3月末時点で前年同期比16.5%増となっていたが、シーズン終了時の5月末時点には13.7%にまで低下していた。同時に株価と連動性の高いリビジョンインデックス(上方修正銘柄と下方修正銘柄の構成比の差分、以下RI)も決算シーズン前の20%超という非常に強い(上方修正が多い)状態から、5月末時点には一ケタ台のプラスにまで急降下した(図表1)。多くの市場関係者の予想どおり、まさに業績モメンタムは急減速したわけだが、株価は逆方向に動いた。
この記事は有料会員限定です
残り 464文字
