4月5日、日本銀行の黒田東彦総裁が、2013年に長期国債やETF(上場投資信託)を購入してマネタリーベースを積み上げる「量的・質的金融緩和」を導入してからちょうど2年が経過した。だが、「消費者物価の前年比上昇率2%を2年程度の期間で実現する」目標は遠のいている。4月末に公表される「展望レポート」で、日銀が経済や物価についてあらためてどのような見通しを示すのか、注目される。
量的・質的金融緩和は、当初、マネタリーベースを年間60兆~70兆円積み上げるとした。だが、14年10月末には「原油価格の下落により、デフレマインドの転換が遅延するリスクがある」として、年間80兆円に引き上げる追加緩和を行った。
CPI(消費者物価指数)の前年同月比上昇率は「生鮮食品を除く総合指数」の消費増税分を除くベースで見ると、14年4月の1.5%をピークに反落、10月以降は1%を割り込み、今年2月にはゼロとなった(図表1)。
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原油安に足元で歯止めがかかっていること、消費増税による負の影響が薄れて、需給が改善されつつあることから、デフレ基調に舞い戻るとの見方は少ない。だが、民間エコノミストのコンセンサスではCPI上昇率は消費増税の影響がほぼなくなる4~6月、7~9月は共に0.16%、原油価格下落から1年が経過する10~12月で0.5%という予想だ。
日銀自体も14年10月の展望レポートで示した予想を1月の中間評価で引き下げた(図表2)。さらに、3月の金融政策決定会合で、「消費者物価の前年比は、エネルギー価格下落の影響から、当面0%程度で推移」と一段と後退した。そのため海外の投資家には追加緩和を期待する向きもある。
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だが、現状では景気が上向いているうえ、日銀も「予想物価上昇率は、やや長い目で見れば、全体として上昇している」という判断を崩していない。加えて、日銀と、これ以上の緩和策による円安進行を望まない政府との間には、昨年の追加緩和以来、齟齬が生じている。
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